ご指導いただいている山崎弘先生が師事していた森芳雄先生の展覧会が世田谷美術館で開催中です。
「森芳雄と仲間たち」展は2019年11月24日まで開催しています。
世田谷美術館 2階展示室
2019年8月3日(土)~2019年11月24日(日)
10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝・休日の場合は開館、翌平日休館)
森芳雄は1908年生まれ、1997年に亡くなりました。
1930年の「枝のある静物」から1997年の「道」まで充実した展示です。
山口薫、 須田寿、 難波田龍起、麻生三郎、脇田和の作品もあわせて展示されています。
今回一番感銘を受けたのは「窓辺の女」でした。1968年の作品です。この作品を見ることができただけでも、十分満足しています。
窓辺に立つ女性が画面中央に描かれています。暗い部屋の中にいる女性が鉄の柵に肘をついています。画面が縦に3分され、女性の前には植木鉢が置かれています。おそらく、森芳雄の代表作の一つだろうと思います。
その他、 「山」(1957)「崖」(1958) や「広場-イタリア」(1963)などの作品が印象に残りました。
須田寿「耕土」(1978)と「門」(1982)を見ることができたのも、貴重でした。
どちらも図録で見て須田の代表作なのだろうと思っていた作品でした。ところが、それぞれの隣に置かれていた「ローマの影」(1977)と「帰路」(1986)の方がもっと素晴らしく感じられて、驚きました。
やはり写真だけではわからないものがあるのでしょう。
日経ポケットギャラリー「森芳雄」を見ると、この絵のコメントが記されています。
▼僕はこの絵が好きだ。長いことアトリエの壁に掛けておいた。パリの庶民の生活が、窓辺に寄り添う女性に感じられて描きたくなった。描いているうちに、ガラス窓と日射除けの扉との関係や、女性が肘をついている鉄柵のことが気になって、どうしようかと思いながら、何年もそのままにしておいた。
素晴らしい展覧会でした。